61冊、2020

今年も出会いがたくさんありました。


本を開いている間

私は物語の登場人物の人生を生きます。


本を閉じて、私の人生に帰ってきた時に

見慣れた景色がとてつもなく平和に見えたり

しあわせに感じられたり


仕事があること、家族がいることに

悦びを感じたり

若林に恋をしたくなったり


地球の空気に感謝したり

(SFも好きだから)


読書を通して

自分の人生を出たり入ったりするので


ああそうか。

だから私、なんかいつも新鮮なのかっ♪

と、それが今年の気づきです。


以前ほど、本を読む時間が取れませんが

ちらちら開いて、のんびり読み進め

ひとつひとつの物語を通過し

どんどん読んでどんどん忘れて

そうやって読書を楽しんでいます。


川越宗一さんの「熱源」や

真藤順丈さんの「宝島」

高山羽根子さんの「首里の馬」で

民族や文化、優劣ってなんなんだろう

正しいって何だろう、と考え


吉田修一さんの「路」

東山彰良さんの「流」、

「僕が殺した人と僕を殺した人」で

台湾の歴史の少しと空気感に触れ

ああこんなことがあったのか、と思い


吹奏楽団で演奏する曲のために

回天や伏龍隊を含む特攻隊の本を

何冊かを読みました。

青年たちが、生きたい気持ちと

死ぬことの正しさのはざまで苦しみ

折り合いをつけていく様を読み


西加奈子さんの「まく子」が

優生学の正反対を晴れ晴れと説いてくれて

「さくら」で人生の尊さを投げかけてくれて

「ふくわらい」で人の本質と枠について

度肝を抜いてくれて


ミヒャエルエンデの「はてしない物語」が

ファンタジーにどっぷり連れて行ってくれて


古川真人さんの「ラッコの家」で

ままならないことをおおらかに手放す様子を

「背高泡立草」で広く長く続いていく世界の逞しさを

「縫わんばならん」で人が病むことも死ぬことも

平和の一部だよと諭され


しかし驚きは

山下澄人さんの「月の客」

これは衝撃で、終始武骨な文章なんですが

読後、急にスケール感が変わる

圧巻の、とても変わった一冊でした。


石原燃さんの「赤い砂を蹴る」は

心が痙攣。

大切な人の死を、どうやって受け止めていくのか

その道筋を辿るような一冊で

とても、よい、ありがたい物語でした。


そして

今年は帰省せず、家でのんびりの正月なので

普段敬遠している、沼として深めの作家を

借りてあります。


好きすぎて、読みたすぎて

寝る時間を惜しんでまで読んでしまうので

敬遠しているわけです。


村上春樹さんの短編「TVピープル」と

「ダンスダンスダンス」上下巻

吉田修一さんの「さよなら渓谷」