ハウスキーパーの葛藤
ここ半月ほど
彫刻の設置や塗装
パソコン作業を積極的に
進めていたので
ふと気が付くと
家の中が錯乱していて
あれがない、これがない。
忙しいせいもあるのでしょうが
若林のアトピーも悪化しており
あーそういえば、この頃
お布団に掃除機掛けてなかったなー。
シーツも布団カバーも枕カバーも
洗ってなかったなー。
そんなあれもこれも
私全部できません。
日々の家事とこどものことと。
それに仕事が少し
面白くなってしまえば
こういう地味な家の仕事のことは
忘れてしまいます。
だいたいにして
私はこの
布団に掃除機を掛ける作業が
嫌いです。
普通の人はこんなこと
するんでしょうか。
うちは
アトピーとか喘息とか鼻炎とか
みんなアレルギー体質なので
昔から
なんせ布団は吸ってきました。
効果があるのかないのか
それすら見えないけど
私の大好きだった先生によれば
2週間に一度、吸ってれば
2か月で布団はきれいになるそうです。
それで、この作業。
布団を広げて、端からくまなく
ゆっくり吸います、ゆっくり。
表が終わったら、裏も。
ゆっくり、ゆっくり。
敷き、マットレス、
掛け、毛布、裏表。
以上で一人分。
これを日替わりで5人分やるのです。
飽きるー
そして終わったら乾燥機を掛け
畳んで元に戻します。
「元に戻します。」
元に戻るので
見た目、何も変わりません。
我家の健康にとってとても大事と
「思われる」、この退屈な作業に
費やした私の時間と労力。
その全てが
見た目、全くわかりません。
主婦「ハウスキーパー」の仕事は
何かあった家の中を
「何もなかった」ように
しておくことであり
掃除して、綺麗な状態に部屋を「戻す」
選択して干して畳んでタンスに「戻す」
料理をつくって食べて
汚れた食器と台所を使う前の状態に「戻す」
ごみを捨てて新しいごみ袋を入れ
ごみが捨てられる状態に「戻す」
使った布団を畳んで
使う前の状態に「戻す」
何をやっても、出来る限り
何もなかったように
何もしてなかったように
戻った状態で
みんなに「おかえり」を
言うのです。
報われろ、私。
「仕事でのストレスが生まれるのは、
多忙であるか否かではない。
報われるか否かの問題である」
塩田武士「騙し絵の牙」より
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